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社会の発展と不平等

社会の発展と不平等

ある会合で福岡出身の方と出会いました。私も同郷なので初対面にもかかわらず、出身高校やお気に入りのラーメン店・うどん店の話題で一気に距離が縮まる。やはり豚骨ラーメンの求心力は侮れません。

名古屋の話題に移ると、自動車産業の集積を「不平等ですよ!」と笑いながら羨ましがられました。福岡もよい都市なのは間違いないはずです。社会が発展していく中で他との比較をし、自身の中に何かしらのやるせなさがあるのかもしれません。確かに地域ごとの産業構造は大きな差を生みますが、その背景にある大変さも同時に理解するのは容易ではありません。

この豚骨ラーメンの話からスタートした会話から、ルソーの人間不平等起原論が浮かびます。彼は「人間は本来善良であるが、社会の発展とともに堕落する」と説きました。つまり、純粋な思いは社会の仕組みや利害の中で歪められていく。福岡と名古屋の会話もまた、地域経済や歴史という「社会の文脈」によって微妙にすれ違うのかもしれません。そこまで深く考えてないとは思うんですけど…。
それでも、ラーメンの話題で笑い合える瞬間にこそ、人間本来の善良さが顔を出す。ルソーが見た「自然な人間性」は、案外身近な食卓や雑談の中に潜んでいるのではないでしょうか。
本日は、ルソーの著書をご紹介。

人間不平等起原論

ルソー著 本田喜代治/平岡昇訳 1993年/岩波文庫 

人類の中には、次の2種類の不平等がある。・年齢や健康、体力の差などの「自然的または身体的不平等」・豊かさや勢力の差などの「社会的あるいは政治的不平等」

不幸の大部分は我々自身の仕業である。自然が命じた簡素で一様で孤独な生活様式を守っていたら、極端な不平等は避けられただろう。進歩した人間は、道具を発明して小屋を作り家族と暮らす。そして余暇が増え、安楽を得る。これが不幸の源泉だ。これにより人間は身体と精神が柔弱になる。そして安楽が習慣になり、安楽は変質して真の欲求となる。そのため、人はそれを所有しても幸福ではないのに、失えば不幸だと感じるようになった。

不平等は、我々の能力の発達と人間精神の進歩によって、その力をもつようになり、また増大してきたのであり、そして最後に、所有権と法律との制定によって安定し正当なものとなる、ということになる。

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